問題解説: 非対称通信

作成者
麻生情報ビジネス専門学校 何 力平
概要
pingはIPネットワークにおいて、ノードの到達性を確認するための基本的なツールの一つである。pingはICMPの”echo request”パケットを対象ノードに投げ、対象ノードから”echo reply”が返ってくることで到達性を確認する。
Address Resolution Protocol (略称:ARP)は、イーサネット環境で、IPアドレスから対応するMACアドレスを動的に得るためのプロトコル。代理ARP:他のネットワークにARP要求があった場合にルーターがホストに代わって回答する仕組みである。Proxy ARPなどと呼ばれており、NAT環境化において使用される例が多い。
スタティックルーティングとは、ルータなどが、管理者が予め設定した固定的な経路表(ルーティングテーブル)に基づいて経路選択を行なうこと。スタティックルーティングは経路情報の交換がない分通信量を節約でき、外部から不正な経路情報を送信される危険性もない。
本問題では経路を選択する方法を聞きます。
問題文
選手達はROUTER2とROUTER3を管理しています。
10.0.0.1がら20.0.0.1にPING(echo request)すると、パケットはROUTER2を経由し、20.0.0.1に到着します。
逆に、20.0.0.1から返信(echo reply)すると、ROUTER3を経由し、10.0.0.1に到着します。
ROUTER0とROUTER1の設定を参照しながら、ROUTER2とROUTER3を設定してください。
ルーティングテーブルを変更しないでください。
rikihei-topo
解決方法
R2
 interface GigabitEthernet0/1
no ip proxy-arp
R3
interface GigabitEthernet0/0
no ip proxy-arp
講評
key words in 892J:
ip route 0.0.0.0 0.0.0.0 GigabitEthernet0
mac-address-table aging-time 16
本問は見た目がルーティングテーブルを変更せずに特定の通信経路を選び、とても難しい問題です。実はL2、L3の技術とOSI7層の動きを組み合わせ考えると、簡単な問題です。
問題の考え方法は通信経路を選ぶ機器がルーターだけではなく、892jのスイチ機能を気づき、ルーターの適当のポートに「no ip proxy-arp」を使います。
ネットワーク技術者としていつも新しい技術を勉強することは大事だけど、学んだ知識、特に基本知識の活用が大切だと思います。そして、勉強するときにコマンドを暗記ではなく、「なぜ」、「どのように使う」、「他の似ている技術との差」を理解することが必要です。
残念ですが、今回、満点の解答を行ったのはありませんでした。次回は似る問題を出るかもしれませんが、選手たちの答えを期待しています。